【遊戯王マスターデュエル】ダイヤ1達成エルドリッチのデッキレシピとか、環境分析

でんきひつじと申します。

今回は遊戯王マスターデュエルのランク戦season5で主に使用していたエルドリッチの構築を紹介します。



1.構築の起点

本構築を使用する以前にランクマッチで対戦しながら感じていたことが2点ありました。

一点目は現在のメタゲームにおいて手札誘発が特に重要な位置を占めていること。

そして二点目はseason4以前と比べてバック除去が重要視されていないことでした。

 

まずは一点目、現環境において手札誘発が非常に重要な位置を占めている要因について考えてみました。

いまや遊戯王の代名詞と言っても差し支えないほど、ゲームにおいて欠かせない位置を占めている手札誘発ですが、このseason5においてはその傾向が顕著に表れています。

ここで個人的に収集した環境内のデッキタイプ分布を見てみましょう。

※筆者がランクマッチで対戦した相手のデッキタイプです。全体的な分布とは異なる場合があります。また、1度しか対戦していないデッキタイプや分類が難しいと感じたものは、「その他」に含めています。

 

以上の図を見てわかるとおり、展開テーマが大多数を占める環境になっています。

とりわけ「相剣」デッキのシェア率は非常に高く、10回に3回は「相剣」と対戦するような、いびつなメタゲームになっています。

そのため、「相剣」は特に対策しなければならないデッキタイプであり、相手の動きを阻害するための手札誘発が特に重要になっていると言えます。

 

 

続いて二点目、バック除去があまり重要視されなくなっている要因について考えてみました。

先の図を見ていただければわかりますが、「エルドリッチ」などの罠テーマのシェア率があまり高くないことは一つの要因かと思われます。

やはり昨日行われたリミットレギュレーション改訂によって《黄金郷のコンキスタドール》が一枚制限になってしまった影響は少なくないでしょう。

「エルドリッチ」デッキの盤面への干渉力が低下しています。

加えて、とあるカードの登場もこのような風潮を助長しているのではないでしょうか。

そう、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》です。

このカード、あらゆるデッキに入れることができる汎用性に加え、一度降臨してしまうとなかなか対処が難しいカードになっています。

特に永続魔法・罠を用いるデッキにとっては天敵とも呼べる存在であり、毎ターンこちらの伏せカードを破壊してきます。

バック除去をする際に、以前は《ライトニング・ストーム》などに頼る場面が多かったのですが、ライストは使える場面が限定的である一方で、デスフェニは臨機応変に使用することができます。

そういったデスフェニの使い勝手の良さも、影響しているのではないでしょうか。

 

こうしたランクマッチの現状について、「エルドリッチ」デッキの立ち位置は良好です。

一点目の手札誘発が多く採用されている点について、「エルドリッチ」はほとんど影響を受けません。

二点目のバック除去が軽視されている点も、本デッキタイプにとっては追い風です。

 

一方で「エルドリッチ」デッキに残された課題は大きく分けて二点ほどあります。一つはデスフェニにどうやって対処するかです。

幸いにして、「エルドリッチ」デッキはデスフェニに対して《黄金卿エルドリッチ》の①の効果で墓地送りにしたり、《黄金郷のワッケーロ》の効果によって一応対処することが可能です。

しかしそれでもなお対処が難しいのがデスフェニというカードです。自身の効果で逃げられてしまい、継続的にアドバンテージを稼がれてしまいます。

通常の「エルドリッチ」構築以上に、このデスフェニを対策していくことが重要になってきます。

そしてもう一つの課題はいかにして盤面干渉力を上げるかです。

やはり《黄金郷のコンキスタドール》の規制は「エルドリッチ」デッキの盤面干渉力を大きく低下させています。

 

この二つの課題に対して解答をもたらしてくれる、ピッタリのカードが先日追加されました。

ズバリ、《天獄の王》です。

このカードの登場により、「エルドリッチ」デッキは新たな段階へと突入することができました。

 

2.デッキレシピとカード採用の理由

私がダイヤ5からダイヤ1まで使用したデッキレシピは以下の通り。

いくつか特徴的な採用カードもあるため、説明していきます。

加えて、採用に至らなかったカードについても後述します。

 

天獄の王》

まずは本構築の核となるカード、《天獄の王》についてです。

このカードは《ハーピィの羽根箒》や《ライトニング・ストーム》などの魔法・罠除去から守ってくれる優秀なカードです。

相手のデスフェニから伏せカードを守る際にも一役買ってくれています。

さらに、手札で公開されている状態で特殊召喚された場合は、デッキから魔法・罠カードをなんでもセットすることができます。

ここでセットしたいカードの筆頭候補は《フュージョン・デステニー》でしょう。

次点で《ドラグマ・パニッシュメント》でしょうか。

D-HERO デストロイフェニックスガイ》の効果や《ドラグマ・パニッシュメント》の効果で《旧神ヌトス》などを墓地に送り、相手の盤面に干渉していきます。

さらにエルドリッチ周りの展開が不十分な時には《紅き血染めのエリドリクシル》を伏せてもいいでしょう。

天獄の王》は、本デッキにおいてバック除去対策と相手の盤面への干渉を一手に担うことができる、非常に優秀なカードです。

 

《アンデットワールド》関連

主に「相剣」デッキや「鉄獣戦線」デッキに対するメタカードです。

「相剣」デッキの潤滑油的存在である《相剣大公ー赤霄》の召喚条件は「チューナー+チューナー以外の幻竜族モンスター1体以上」であるため、赤霄の召喚が不可能になり、相手の足をかなり引っ張ることができます。

「鉄獣戦線」デッキに対してはキラーカードになります。「鉄獣戦線」デッキは自身の墓地にある獣・獣戦士・鳥獣族をリンク素材にして戦うデッキですから、素材がアンデット族になってしまえば何もできなくなってしまいます。

この《アンデットワールド》を有効に使うために、サーチカードである《屍界のバンシー》、《アンデットワールド》がある時に絶大な力を発揮する《死霊王ドーハ・スーラ》を採用しています。両者とも場にエルドリッチがいる場合、エリドリクシルでサーチ可能です。

さらに《屍界のバンシー》へのアクセスを良好にするため、EXデッキに《ユニオン・キャリア―》を採用しました(場のアンデット族を対象にしてバンシーをサーチ可能)。

とくにドーハ・スーラは相手のデスフェニの能力を牽制することができ、非常に有用でした。

 

《サモンリミッター》

このカードは「相剣」デッキをはじめとする展開系デッキへの対策になっています。

展開系デッキへのクリティカルな対策札として《原子生命態二ビル》が存在しており、この二ビルをいかにしてケアするかという「二ビルケア」が展開系デッキの命題になりつつあります。

実際、「相剣」デッキにおいても、《フルール・ド・バロネス》まで展開せず、赤霄+《相剣暗転》の布陣にとどめておくシーンも多く見られます。

そういったケアでさえも、この《サモンリミッター》の前では無力です。

例えば、「相剣」側が《白の聖女エクレシア》から《相剣師ー莫邪》をリクルートし効果を使用した際に、チェーンしてこの《サモンリミッター》を発動すれば、相手の目論見を大きく狂わせることができるでしょう。

 

《無限泡影》

「エルドリッチ」デッキに採用されることの少ないこの《無限泡影》ですが、現在の環境においては入れたほうがいいカードだと考えました。

その理由としては、先行で制圧するデッキが多く、後攻で《スキルドレイン》や《サモンリミッター》を発動する機会が失われがちであるからです。

後攻を引いてしまった場合、相手の展開に合わせて手札から《無限泡影》を使用する場面はもちろん多かったですが、一度伏せておいてから相手の妨害に対して再度《無限泡影》で妨害をかけ、《スキルドレイン》等を通しに行く動きも有用でした。

 

《金満で謙虚な壺》

※OCGのほうでは準制限らしいですが、MDでは無制限です(2022年5月現在)。

 

本デッキの最も優秀なドローソースです。

確実に《天獄の王》などの狙ったカードを引き込みたかったため、こちらを採用しました。

《増殖するG》の採用も検討しましたが、《サモンリミッター》との兼ね合いが悪く、不採用となりました。

また《強欲で金満な壺》や《強欲で貪欲な壺》に関しては、メインデッキやEXデッキから重要なカードが除外されてしまう可能性があるため、採用を見送りました。

 

 

以下、不採用カードについての所見

《群雄割拠》・《御前試合》

本デッキとはミスマッチであるため、不採用。

一方で「鉄獣戦線」や「閃刀姫」などに対して非常に刺さるカードなので、メタゲーム次第では採用してもいいかもしれません。

その場合は各種クリーチャーの種族・属性を統一して構築しなおす必要があるでしょう。

《群雄割拠》や《御前試合》と《天獄の王》や《D-HERO デストロイフェニックスガイ》等を天秤にかけて考えることになります。

 

《神の宣告》・《神の警告》

デッキの枠がなく、泣く泣く採用を見送りました。

先攻時においては無類の強さを誇りますが、後攻を引いてしまった場合には《無限泡影》に軍配が上がると思います。

後攻でもそこそこ勝てる構築を目指したので、不採用になりました。

 

《拮抗勝負》・《天龍雪獄》

本当は入れたいカードです。

お好みで数枚差してもいいと思います。

 

《激流葬》

正直に言うと、このカードのことをあまり評価していません。

他に採用したいカードを押しのけて採用したいかと問われればNO。

 

 

3.戦績

戦績は、ダイヤ5からダイヤ1までの84戦で使用して、勝率63.1%でした。

先攻率が51.1%とやや低くなっているため、試行回数をさらに重ねれば勝率はより高くなると思います。

ダイヤ5まで使用した「相剣」デッキと比較しても、この「エルドリッチ」デッキはよく勝てたデッキだと思います。

やはり環境的な立ち位置が良かったことが影響しているでしょう。

主に対策を講じることになった「相剣」デッキに対する勝率も70.8%とかなり高い水準でした。

「相剣」デッキに勝ちたいという方は使用してみるといいかもしれません。

 

 

ご質問等ありましたら、Twitterアカウント(@denryu_ampharos)までどうぞ。

ここまで長々と書いてしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。